流体力学

無次元化の利点【無次元NS方程式を導出】

2020年6月3日

 

こんにちは、ぴよ工房を運営しているぴよ(@piy0_gadget)です!

この記事では、

  • 無次元化の利点
  • ナビエストークス方程式の無次元化

について話していきます。

 

数値計算では方程式を無次元化して計算することが多いので、本記事では特に無次元化されたナビエストークス方程式の導出を丁寧にしていきます!

紙とペンを用意して一緒に無次元化していきましょう!

それではやっていこー!!

 

無次元化の利点とは?

まず、なぜ無次元化をするのかを話したいと思います。よく分かんないけど無次元化してみたっていうのは往々にしてあると思いますが、せっかくなら無次元化の意味を理解しておきましょう。

無次元とは?

無次元とはそのまんまです。次元がない事を指しています。

基本的な次元には『長さ[m]質量[kg]・時間[s]』があり、『長さ[m]』を『時間[s]』で割ると『速さ[m/s]』となります。正確には『長さ』を『時間』で微分したのが『速さ』ですかね。まぁ細かいことはおいといて、基本的な次元([m]・[kg]・[s])を使って様々な物理量の次元を表すことが出来ます。

 

話が脱線しますが、自分が高校生の時に河合塾のセンター模試問題集の物理で次元を求める問題があり、当時は次元???って感じでしたが、響きがカッコいいと思った覚えがあります笑

あと、家庭教師をしていた際に、小学生に単位のことを次元とも言うよって教えると意欲的に取り組んでくれました。こうやって意欲を掻き立ててあげるのって大切ですよね笑

 

さて話が逸れましたが、この次元を同じ次元で割ってあげるとお互いにキャンセルしあって無次元になります。

つまり、長さ[m]を長さ[m]で割ってあげると、長さの次元がキャンセルしあって無次元となります。割合はその例ですね。書いてて思いました笑

無次元化の利点

利点は、流体に関して言えば『流れの特徴をパラメータで捉えることが出来る』ことです!

後述しますが、ナビエストークス方程式を無次元化するとレイノルズ数というパラメータが出てきます。このレイノルズ数によって流れの特徴を捉えることが出来ます。

具体的には、レイノルズ数が大きいほど流れは速く(サラサラとした流れ)、小さいほど遅い(ドロドロとした流れ)っていうイメージです。

もっと具体的に言うと、レイノルズ数は慣性力と粘性力の比(下図を参照)であり、レイノルズ数が大きいとき、分子の慣性力が(分母の粘性力に比べて)大きいことを表し、慣性力が支配的であることを意味します。反対にレイノルズ数が小さいとき、分母の粘性力が(分子の慣性力に比べて)大きいことを表し、粘性力が支配的であることを表します。

Re数が大 ⇒ 慣性力が支配的
Re数が小 ⇒ 粘性力が支配的

なお、慣性力は流れを早くさせる力で粘性力は流れを遅くさせる力といった感じです。

このように、無次元化によって流れを特徴づけるパラメータで捉えることができ、このパラメータによって流れがどのように変わるかを調べることが出来ます。

数値計算の利点で言えば、このパラメータ(レイノルズ数など)をちょこちょこっと変えるだけで流れを変えることが出来るので非常に楽ちんです!

実験だと、レイノルズ数を合わせることで模型と実機における流れを一致させることができる利点があります!

 

無次元化によって『流れの特徴をパラメータで捉えることが出来る』

代表長さと代表速度⇒代表時間・圧力の定義

代表長さと代表速度

前述したように、無次元化するためには『同じ次元で割る』必要があります。

なら、割るためにはどういった値を用いるのかといった問題がありますが、これは『代表長さ[m]』『代表速度[m/s]』を使って無次元化していきます。

『代表長さ』というのは、流れの中で流れに影響を与える長さを選択します。例えば、円柱まわりの流れであるなら、流れに影響を与えるのは円柱であり、この円柱の直径を『代表長さ』とします。

 

前回の記事でのチャネル流の計算では、『代表長さ』を平板間の長さの半分をとることが多いみたいです。流れが対称なので、平板間の長さを『代表長さ』とせずに、その半分を『代表長さ』としているんだと思います。

 

続いて『代表速度』ですが、これは流入するときの流速を『代表速度』とします。他にも代表速度のとり方はあるかもしれないですが、自分はこれしか知らないです。

 

代表時間の定義

そして、この『代表長さ[m]』『代表速度[m/s]』を使って『代表時間[s]』を定義することが出来ます。

次元を見れば簡単で、長さを速度で割ってあげれば時間の次元になります。

以下に具体的に『代表時間』を載せておきます。

...『代表時間』という言葉があるのかは分からないですが、今回は説明の便宜上、この『代表時間』という言葉を使いました。もし使う場面があればご注意ください。(『代表長さ』や『代表速度』は一般的に使われると思います。)

圧力

前述のように表現するなら『代表圧力』、を定義したいと思います。

この『代表圧力』『密度』と『代表速度』を用いて以下のよう定義することが出来ます。

ナビエストークス方程式の無次元化

さて準備も整ったので、ナビエストークス方程式を無次元化していきましょう!

まずは、無次元化されていないナビエストークス方程式を記述しておきます。なお、簡単化のために一次元の非圧縮性ナビエストークス方程式の形で記述してあります。

さて、この式を無次元化していきます!

これ以降、添え字の『*』は無次元であることを表し、添え字が付いていないものは有次元であることを表します。

無次元化するにあたり、前述で定義したように『代表長さ』・『代表速度』・『代表時間』・『代表圧力』を用います。それぞれ以下のように文字で定義します。

これらを用いてナビエストークス方程式の変数を無次元化していきます。

 

無次元化された値(添え字『*』が付いているもの)を『無次元長さ』や『無次元流速』と言ったりします。

このままだと分かりにくいので以下のように式変形させます。

これらの(有次元の)値をナビエストークス方程式に代入し、式を綺麗にしていくだけです。式変形の過程は以下に示しておきます。

 

ここで『Re』というのはレイノルズ数のことを表しており、その定義は以下のようになっています。

 

さて、これにてナビエストークス方程式の無次元化が出来ました!

 

まとめ

本記事では無次元化の利点や、無次元化されたナビエストークス方程式の導出について解説していきました。ぜひ一度は紙とペンを使って、自分で無次元化してみて下さい!

以下に重要なポイントを載せておきます。

 

・無次元化の利点 = 流れの特徴をパラメータで捉える

 

本記事を通して、無次元化についての理解が少しでも深まって頂ければ幸いです。

数値計算をやっている身からすると無次元化は身近ですが、学部3年までは何か知っているみたいな人が多いと思います。

僕自身もそうでしたし、今も完璧に理解しているのか、と問われると微妙ではありますが、とりあえず今の僕の認識を出来るだけ丁寧に解説してみました。

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